ＷＧＰ50ｃｃクラスというのは、技術的に面白いマシンの多いクラスでした
６０年代はホンダＣＲ110の様にＤＯＨＣカムギアトレンエンジンや幻に終わったスズキＲＰ68の水冷Ｖ3エンジンなど、レギュレーションのゆるい時代は主にエンジンに技術力を注入してましたが、６９年以降はエンジンは単気筒、ミッションは６速までになり、それからは車体での早さの追求へと変わっていきます（単気筒化されたとは言え、８３年あたりのＧＰマシンのスペックは１８馬力、最高速180ｋｍオーバーは叩き出しておりました）
主だった50ｃｃマシンは細いタイヤ、水平に寝たシリンダーヘッド、吊り下げ型のクレードルフレームというのが標準的装備でしたが、更なるアドバンテージを目指しエアロダイナミクスを追求したカウリングをまとったのがトモス50です
エアロダイナミクスを追求したカウルというと、チームロバーツがＫＲに試験的に採用したウーパールーパーカウルや、ＷＣＭがモトＧＰ元年にＹＺＲで試験を行ったエアロカウルが有名（横風に弱い問題を克服できず、どのメーカー、コンストラクターも採用には踏み切らず）
上の写真のマシンは50ｃｃ最後のシーズン８３年（８４年より80ｃｃクラスに変更）にＺ・マツルヤ選手がユーゴスラビアＧＰに於いて４位に入賞したマシンと同型で、これがトモス最後のＧＰレースとなりました
過去の資料を見てみると、トモスはＧＰというよりは欧州選手権や国内選手権をメインに戦い、時折ＧＰにも顔を出していた（ワイルドカード）ようです
今ではお洒落なモペッドメーカーの印象の強いトモス社もかつては50ｃｃスポーツバイクやレーシングマシンを作っていたのは驚きですね
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