少々抜け落ちてました、原価率について。
いくら売上が上がっても、仕入や必要経費に殆どもっていかれてたら、意味が有りません。
必要経費のうち、仕入だけは店主の努力や、知恵で下げれる項目です。
な、訳で、いかに原価率を下げるか、考えてみましょう。
その前に、原価率ってなんでしょう、なんて思う人もいるでしょう。
原価率とは、その商品にかかる仕入の部分の割合のことです。
飲食業のメリットは原価率の低さにあります。物販系だと原価率は60%前後の場合が多いですが、飲食業、特に酒関係の場合は20%以下、食べ物中心でも30%前後と高利益が見込まれるのが、魅力です。 実際、フランチャイズ系のコーヒーショップの一番安いコーヒーなど、一杯頭の原価は、10円以下、ガムシロップやミルクのほうが高いくらいです。だからあんな値段でもやっていけるわけです。
しかし、フランチャイズ系のようにシステムで商売が出来ない、個人商店系においては、原価が安い分、技術料金なんだ、と考えないといけないでしょう。
ここでカクテル一杯あたりの原価の出し方を、
ジントニックを例に。
まずジン、の値段。
標準的なお店で使ってるビフィーターは700mlで1100円前後で、一回に使う量は30ml。
700÷30=約23。それを1100で割って、約47円。 トニックウォーター瓶は230mlで、タンブラーグラスに注ぐと、一回に100ml位使うので、
230÷100=2.3 この場合は二回分の量と考えてOKなので(炭酸が抜けたら使い物になりませんから)トニックウォーターはカナダドライの瓶で瓶代抜きで約70円、一回で約35円。
そして添えるライムは値段の変動が激しいですが、一個150円前後。
8等分して使うとして、150÷8=約19円。
で合計は。
47+35+19=101円
これがジントニックにかかる原価で、これを一杯600円で販売するとなると、
101÷600×100=16.8
原価率は16.8%と出ました。
店を開業してから、売上はあるのに、収益が上がらない場合はまず、原価率からメニューの見直しが必要になるのは、こういう訳です。
これがもっといいジンなどを使えば、原価も上がりますが、この%になるように価格設定していけば、間違いは少なくできるでしょう。
これを考えると、ビールなんて意外と収益の上がらないアイテムだと気がつくかもしれません。
例えば350mlの缶ビール、ハイネケンを例にすると。
ハイネケンの缶、24本入りワンケースで4000円位。
4000÷24=約167円
ビールは何故か、カクテルより値段を下にしないと厳しいので550円で販売。
167÷550×100=30.3%
かなり収益の上がらないアイテムだとお分かりいただけたでしょうか?
んで、ショット売りはどうなるのと考えると。
ウイスキーのジンビ―ムで考えて、
ジンビームは700mlで1200円前後。
ワンショットは30ml
700÷30=26杯
1200÷26=46円
ワンショットは500円で出すとして、46÷500×100=9.2%と出ました。
ショット専門なら大した技術はいりません。(知識は必要ですが)。
ショットバーが案外、店としてやっていける理由もここにあります。
もちろん普通バーはカクテルも、ビールもショットも無いわけにはいきませんから、どこで収益を上げて、どこでサービス品を作るかなんか考えるときに原価率から、算出してみるのがいいでしょう。
また、自分の店の売りを何にするのかを考えるのに、自分の技術力や知識の他に、原価率を頭に入れて考えてみてください。
いよいよ、次回からはお店の開店の方向で話をしていきたいと思います。
続く
質問等ございましたら、是非当店に遊びにきてみてください、できる限り回答します。
遠方で来店が出来ない方は、メールなどで質問してくれても結構です。