それでは、値段の設定にいってみましょう。
値段なんて、安ければ客は飛びついてくれでしょうに・・・。なんて考えてしまいがちですが、それはそれで、ある程度は正しい考え方でしょう。
でも、人は安かろう、悪かろうとつい考えがちになりますし、なにより安い所を求めてくる人は、財布の紐が硬いことが多々あります。(だからこそ、安くていいと考えるわけですからね)
立地条件などが非常に良くて、何もしなくても人が常に入ってくる場合なら、薄利多売で攻めてみるのもいいでしょう。
しかし、低予算で開業の場合は、そうそう立地条件のよい物件に入ってるとは限りません。(ほぼ無いでしょう)
そうなると、一日の集客力は限りあるわけですから、安くするだけ、一日の売上は厳しいものになってきます。
ということですと、ある程度、客単価を稼ぐ、値段設定が大切になるわけです。
では、まず、一ヶ月に必要な経費を産出しましょう。
まず、家賃、これが払えないと終わりです。
次に水道光熱費、これも止まったら洒落になりません。
人を使う場合、人件費。
いろいろ小物も必要です、消耗品費。
そして、仕入費用。
広告宣伝費。
銀行等からの借入金がある場合、月々の返済金も必要ですね。
で、最後に自分の取り分。
大体の必要経費は、家賃×3が最低でも必要な経費で考えていいです。
家賃が10万円であれば、30万が必要最低経費になると思ってください。(返済金は、また別枠で上乗せが必要です)
では30万、一ヶ月で出すには、毎日営業で一日、一万円の売上が必要になるという訳ですね。これが週一回は休むとなると30万割る26日で11600円程度になりますね。
一日に一万円以上売り上げるには・・・。と、ここで一人頭の客単価の想定が必要になりますし、店自体が一日に何人、集客できるのかが必要になってくるわけです。
目安ですが、食事が中心での店で、平均客単価は1200円前後、お酒中心の場合は平均2000円前後になります。お酒に食事もつけますと、もちろん単価も上がってきますが、それだけ人でも必要になってくるわけで、開業前に自分の得意分野を持ってないと、辛くなってくるわけです。
自分である程度の作業がこなせるなら、とりあえず、人件費は抑えられますから(自分の人件費を無視する格好になりますが、最初は無駄銭をいかに出さないかも非常に重要です)やはり飲食業希望の場合はそれなりの経験がどうしても必要になってくるわけです。
それと、家庭料理と、職業で食事を作るのは、根本的に違います。
まず、常に原価計算をしないといけない、
廃棄分も計算に入れないといけない
複数の客が同時に違うメニューを注文してきても、対応しないといけないので、段取りが必要になってくる。(キッチンが広広してれば、段取りもたて易いですが、限られたコンロや電子レンジ、オーブンで無駄なく動かないといけません。)
などなど、こんなにも家庭料理とは違うものなんです。
ですから、飲食業の経験がないと厳しいことになるんです。
話を戻しまして、お酒中心に考えた場合、2000円ですので、一日に最低5人は来てもらわないといけませんが、あくまで平均ですので、0の日もあれば、10人以上きてしまう日もあるでしょう。
たった5人でしょ、と思うでしょうけど、一ヶ月トータルで、26日×5人=130人、そう考えると、結構な数字になりますね。
これを一年通して、呼ばないとならないので、雨、雪、猛暑、風邪、旅行シーズン、こんな要因も客足を遠ざけますし、いい条件ばかりではないと肝に銘じないとです。
2000円を一人に使ってもらうには、酒なら一杯2000円にできれば話は早いのですが、そうはいきません。
酒なら、一人でおおよそ3杯は飲みますので2000円÷3杯=670円くらいが一杯頭の値段になります。
これでやっと、値段の設定が出来ましたね。これを骨組みに、価格の増減を図っていけばよいのですが、価格を決めるのには、客層という要素も必要です。
学生相手なら、あまりお金は落とせないでしょうし、働いてる人ならお金は落とせるけど、毎日はこれないでしょう。
これは、店の立地条件で判別する必要があります、例えば、そばに大学等々あるなら、客層はどうしても学生中心になりますし、大きな会社や工場などがあれば、働いてる人たちが、メインターゲットになってくる訳です。
客層にあわせたメニュー作りは次回にやっていきたいと思います。
続く
質問等ございましたら、是非当店に遊びにきてみてください、できる限り回答します。
遠方で来店が出来ない方は、メールなどで質問してくれても結構です。